第6章 素直 後編【※錆兎】
錆兎はその残像を振り払うと、果実から離した右手をゆっくり降ろし、陽華の大切な部分に触れていく。
まだ充分に潤ってはいない入り口を、優しく搔き回し、指に蜜を絡めると、そっと内部に中指を差し入れる。すると、陽華の身体がビクッと震えた。
左手は絶えず、胸の突起物を弄び、差し入れた右手の指先で、中を優しくゆっくりと掻き混ぜてやると、陽華が小さく声を上げた。
「……んっ…、」
何度も重ねた身体だ。コイツのことは、俺が一番良くわかってる。
陽華はここを押し潰すように、刺激してやると、気持ちよさそうに息を弾ませる。声も出さないコイツの、小さな反応を見逃さないようにずっと見てきたから、わかるんだ。
……心が手に入らないなら、身体だけでも…俺の物に…したい。
錆兎は差し入れた指先で、陽華の良いところを擦りながら、ゆっくりと出し入れを繰り返す。
「…んっ…っ…、」
次第に陽華の息が乱れ始めた。
その吐息を心地よく耳に感じながら、錆兎は指先を出し入れする速度を早める。
「はぁ…っ、錆兎…、もういい…から…、」
いつもだったら、ここまでしない。もう充分に準備は出来てる。陽華が止めるよう促すと、錆兎は胸を弄んでいた左手を陽華の腹部に回した。
「もう少しいいだろ?…こんなにここ濡らしてるんだ、お前だって気持ちいいんだろ?」
「そ、そんなこと…、」
陽華が錆兎から離れようと、身体を動かした。しかし、腹部に回された錆兎の手が、それを抑え込んだ。
「っ!……どう…したの?今日…ちょっと…、」
おかしいわよ。そう言おうとした、陽華を遮るように、秘部に差し込んだ指先が、乱暴に中を掻き回した。
「んっ!……さび…と…、待ってっ!」
陽華の手が、腹部に回された錆兎の腕を、拒否するように強く掴む。
「お願い、もう離してっ!」