第6章 素直 後編【※錆兎】
陽華の抵抗が無くなると、錆兎はその柔らかさを、全身で確認するように強く抱き締めた。
そのまま、陽華の身体の輪郭をなぞるように、手をゆっくりと滑らせていく。
細い腰を擦り、腹を手の平で撫でつけ、そこから上へと滑らせると、大きめの柔らかな両方の果実を、そっと手の平で包み込んだ。
そのまま優しく、先端を刺激するように指と指の間に挟みながら、揉みしだいていく。
「……っ……ん…、」
敏感な先端の実を、指の腹で弧を描くように、優しく捏ねてやると、陽華の身体がビクッと跳ね、小さく仰け反る。錆兎はその柔らかな背中にそっと口づけた。
その瞬間、陽華が息を呑むのがわかった。
「ちょ…っと、錆…兎?」
身体の強張りで、陽華が戸惑っているのがわかる。普段なら、絶対にしない行動。しかし錆兎は、構わずに、その背中に何度も、口づけを落としていく。
陽華の身体に、こんなに密着するのも、口づけるのも初めてだった。その初めて感じる柔らかさに、錆兎の興奮が高まってくる。
こんなに心地よく、気持ちのいいものだって、初めて知った。……義勇の奴はもう、この肌の柔らかさを知っているのか…?
そう思うだけで、錆兎の胸が激しく痛む。嫉妬で気が狂いそうになる。
……なぁ、陽華。義勇とは、向き合ってするのか?ちゃんと顔合わせて、その目で見つめ合って…それで…、
錆兎の脳裏に、裸で身を寄せ抱き合い、顔を…唇を…近づけ合う、義勇と陽華の姿が過る。
……くそっ!!
どうしようない苛立ちが、募っていく。