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【ヒロアカ】手のひらのぬくもり※トリップ【相澤/轟/爆豪】

第3章 #3 影・術・夢


「驚いたよね、ごめん。私結構普通に人に触っちゃうんだよねぇ…」
「あ、そうなんだ。ううん!でも、嫌じゃなかったよ!!」

申し訳ないなと思って、下を向いて額に手を当てる。
人に簡単に触れてしまうのは、昔からの悪いクセのひとつだった。

ハグするのも普通だし、両腕広げられて「おいで」と言われれば照れることなく行く。
その逆もしかり。呼んだらきてもらいたい。

ハイタッチも手をつないで歩くことも、異性同性関係なくしてきた。
何の違和感もないのだ。

人に触れている瞬間に感じるあったかさが、すごく心地よくて大好きだ。
その瞬間、拒絶されていない嬉しさを感じることもある。

そんな癖を、さっきあったばかりの人にしてしまったのは…と少し焦ったが、チャコは気にすることなく笑ってくれた。
どこまでも優しい子だ。

「ありがとう!!苦手な人もいるからさ、触られるのって。気をつけなきゃとは思ってるんだけどねー…」
「そうだねぇ…でも、ここのみんなは、そういうのも性格の一つだってわかってくれると思うよ!」
「そうかな?ありがとう。…まぁ、爆豪くらいかな、嫌がられんのは。」

そういって鼻で笑って、肩をすくめてみせると、チャコはまた笑った。

「いいそう!触んなボケェェ!!!とかね。」
「そうそう」

想像しやすい回答で、私もつられて笑ってしまった。
もうほとんど人も残っていない教室で、話しかけてくれたこのチャコは、本当に優しい子なんだなと思った。

気づけばもう、私たちしか教室に残っていなかった。


「あっ…私、デクくんたちと帰る約束しとるんだった!!もしよかったら、祥ちゃんも一緒に帰らん?」

ふと思い出したかのように手をたたき、私の顔を覗き込んでくるチャコ。
ほんとうに子犬のようだった。

「あ、うん…私「おい。」」

教室の入り口から声がした。
会話を遮るようにドアに寄りかかり、不機嫌そうに見ている男…”相澤先生”だった。

(あぁ…忘れてた…)

今朝教室に向かうまでの間に、終わったら来いって言われてた気がするなぁ…。
いや…言ってたか?いわれてないな?

自分の記憶をさかのぼり眉間にしわを寄せを寄せてると、それに気づいたチャコが言った。

「あ、相澤先生!!どうしたんですか?」
「高崎に用事がある。」
「あー…」

相澤はまだ不機嫌そうな顔をしている。
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