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【ヒロアカ】手のひらのぬくもり※トリップ【相澤/轟/爆豪】

第3章 #3 影・術・夢


その後、ホームルームや授業が終わり、雄英生徒としての怒涛の1日目が終わった。

休み時間はクラスメイトの質問攻めにあったかと思えば、爆豪から喧嘩腰で話しかけられ、その度に上鳴と切島が止めに入ってどこかに連れ去ってくれた。
たぶん、ヴィランに襲撃された時の件について、逃げなかった理由や爆発の理由など、聞きたいことはたくさんあったんだろう。
彼にとっては大きな問題なのかもしれないな…。

(腫れ物に触るようで申し訳ないな)

年頃の子供たちにこんな思いをさせてしまっては、と少し申し訳ない気持ちになった。


(あれ、そういえば、爆豪は君付けしてないけど、他は一応つけたほうがいいんだよね…)

あまりにも現実での名指し呼びになれてしまっており、今更君付けやちゃん付けするのも少しむず痒いところではあるが、致し方ない。

見た目は10代に若返ったものの、気持ち的にはいとこがたくさん増えたようなものに近い。
今どきの子供のはやりなんてしらないし、過去についても詳しく話すことはできない。

(会話にはしばらく気を使いそうだな。)

小さくため息をついて、カバンに荷物をまとめる。
すると、後ろから明るい声で女の子が話しかけてきた。

「ねえねぇ、高崎さん!あたし、麗日お茶子!よろしくねっ!」
「え?あ、うん…よろしく!」

この子…私が一人になるときを待ってくれていたのだろうか。
今日1日いろんな人に話しかけられたけど、お茶子ちゃんに話しかけられたのは初めてだった。

(気が使える子なのね)

なんだか心がホッとした。
いい子だなって、心から思った瞬間だった。

「えっと…あの、お茶子って呼んでね!みんなもそう呼んでくれてるんだ!」
「お茶子ちゃん‥か。あ、チャコ…チャコとか、どうかな?」
「え、チャコ?」

実はずっと現実ではチャコと呼んでいたこともあり、彼女のことはそのほうがしっくりきていた。
言いやすさって、大事だよね。

彼女は突然の提案に少し驚いたものの、顔を赤らめて、にへっと笑った。

「うん!なんかいいね!!チャコ、って!嬉しいなぁ」

気に入ってくれたようで良かった。
なんだか、子犬になつかれた気分だった。
かわいらしいなぁと思って、私は思わず頭をなでていた。

「えっ…え、え?」
「あ、ごめん!」
戸惑う彼女に気づき、すっと手を離して愛想笑いをした。

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