【ヒロアカ】手のひらのぬくもり※トリップ【相澤/轟/爆豪】
第3章 #3 影・術・夢
「相澤君に、任せようかな」
その言葉だけ告げて、校長が応接室を去った後、バツの悪そうにみる相澤。
(いやその顔したいのはあたし。)
そんなことを思っていると、小さな舌打ちと共に話はじめた。
「とりあえず、俺ともひとつ約束しろ。」
何を言うのかと思いきや、また約束?
今度は何?
首を傾げて真っ直ぐ見つめると、相澤は続けて言った。
「消太と呼ぶのをやめろ。」
え、そんなこと?
かなり拍子抜けした約束だった。
何故そんなことを約束をしたんだろうか。
私の気持ちが顔に出ていたのか、少しの無言の後、頭をかきながら相澤が話した。
「俺とお前は、生徒と教師だ。ここにいる以上はな。だから、その俺がお前にタメ口聞かれるのは禁止だ。二言は許さないから、理解しろ。」
なんて理不尽な。
夢見る前の、消太呼びは、呆気なく「本物」から禁止令が出てしまった。
あれ…でも…
「学校じゃなければ…?」
――――相澤side――――
面倒なことになった。
俺がこの女を校長へ報告したあと、こんなことまで任されるとは。
相変わらずこの校長は読めない。
3つの約束…
そうだ…ついでにひとつ、してもらわなければいけない約束がある。
「とりあえず、俺ともひとつ約束をしろ。」
どうしても守ってもらう必要がある約束。
同い年かどうかなんて信用ならないし、なんていったって生徒になる相手だ。
「消太と呼ぶのをやめろ。」
なんとも言えない感覚になるから、というのもあるが、そもそも学校で俺を下の名前だけで呼ぶやつなんていない。
生徒としてみるのであれば、締めるとこは締めなければならない。
なんで?と言いたそうな顔でこっちを見てるな…
むしろなんで名前で呼ぼうとしてるのか…
「俺とお前は、生徒と教師だ。ここにいる以上はな。だから、その俺がお前にタメ口聞かれるのは禁止だ。二言は許さないから、理解しろ。」
ダメなものはダメだ。
そう告げて高崎をみると、女はひらめいなような顔をして口を開いた。
「学校じゃなければ…?」
何を言ってんだこいつ。