【ヒロアカ】手のひらのぬくもり※トリップ【相澤/轟/爆豪】
第3章 #3 影・術・夢
「決まりだね!よかった!!」
パァァっと明るい顔になった校長。
元からそのつもりだったろうに…という顔で相澤が校長をみる。
その顔を見て私もまた、校長をみる。
「それじゃ、話し合いはこれにておしまいだ。ここから先は、生徒と教師たちとして、約束して欲しいこと話していくね。」
ここの人達は、本当に話を聞かない。
私の意思はどこにあるんだろうか…
校長は、私に3つの約束を言ってきた。
ひとつは、1-Aの生徒として相澤と行動を共にすること。
ふたつめは、個性について気づいたことはすぐに話すこと。
みっつめは、素性を話す相手は事前に相澤に相談すること。
完全に「監視下」なんだけど…
そんなことを思った時、ふとあることを思い出した。
「雄英の、監視下に置く。」
仕組まれた。
相澤をキッと睨んでみると、無表情のまま目が合う。
「なんだ。」
この男…知ってたな…全部。
私にあの時言ったことをやってのけた。
ただそれだけのこと。
そんな顔をして私を見る。
見かねた校長が咳払いをひとつして、私にいった。
「そして、君の住むところについてだけど…」
そうだ。
住む場所!
私の病院生活はおわりをつげてしまった。
今日からどこに住んだらいいんだろう。
「相澤君に、任せようかな。」
え?なんて?
その言葉には思わず相澤も意表をつかれた顔をしていた。
「校長、それは…」
「同い年なら、手伝ってあげるのだって自然なことだろう?それとも、君が僕に報告してきた以外に、彼女を放置できるほどの理由があるのかい?」
「…」
不満満載とはこのことか。
すごく眉間に皺を寄せて相澤が校長をみる。
「歳は別として…わかりました。」
私の雄英生活は、この男と共にすることが決まった。
「うんうん、よろしくたのむよ!」
ルンルンとした声で答えると、校長は応接室から姿を消した。
不安しかない。