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【ヒロアカ】手のひらのぬくもり※トリップ【相澤/轟/爆豪】

第2章 #2 住・生・楽



相澤に連れられてきた病院の外に、一台の車が待っていた。
リムジン…なわけもなく、普通の乗用車。


そこから降りてきた一人の女性。
その妖艶な姿、間違いない…”ミッドナイト”だ。


その体から出るフェロモンで相手を眠らせる個性をもつ女性。

知ってる…






「こんにちは、高崎さん」
「こっ…こんにちは!」


突然話しかけられたその彼女は、ふふっと微笑むと、相澤を見て続けた。


「イレイザーが女子の荷物を持ってあげるなんて、珍しいわね。明日は雪でも振るのかしら。」
「おい。」
「あ、荷物…」


荷物を持たせたままの相澤に気づき、慌てて荷物へと手を伸ばす。
いじられたのが少し不満な相澤は、眉間にしわを寄せながら車のトランクに手をかける。

「病み上がりに両手使わせるのは違うだろ。それだけだ。」




あぁ…そういうことか。

左手、気にしてくれたんだ。





経過は彼もわかっていない。
だからこそ、気を使ったのだ。



「ふーん…」
「なんだ?」
「いいえ?さぁ、高崎さん、行きましょう。乗って?」



くくくっ、と喉の奥を鳴らして笑うミッドナイトに、頭を掻きながらため息をつくイレイザーヘッド。
こんな光景をみることができるなんて、ほんとに不思議な夢。



誘われるがままに、助手席へと乗り込む。
相澤は後部座席で腕組みをし、寝始めた。


ほんとに睡眠不足なんだな…この人。




走り出して数十分、黙っているのもつらくなったので、私は話しかけてみることにした。


「あのっ…」
「なに?どうしたの?」


前をみたままミッドナイトが答える。



「私は今、どこに向かってるんでしょうか?」






すると、信号待ちで車をとめたミッドナイトが、驚いた顔で私を見た。


「驚いた。まさか、何も聞いてないのかしら?」
「え?あ、えぇ…」

そして信号が変わり、また車を走らせ、彼女が言った。


































「雄英よ。」



































(雄…英?)






どうして私が?
この前の件…すべて話したから?








ミラー越しに相澤を見ると、相変わらず寝たまま。


どうなっちゃうの…?

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