第4章 初上陸
『いだだだだだ。』
階段がキツい。
昇るのはまだいいけど、降りるの痛い。
そしてこの船が大きいから階段が長い!
筋肉痛が猛威を振るう。
ぷるぷる足が震える。
「ハハッ、、、菜々美、危ないから、おいで。」
『ビスタ兄さん〜』
ビスタ兄さんが数段先に降りて、私に手を差し出してくれた。
その姿はさながら絵本の中から出てきた王子様のよう。
そしてその手を取る私は、お姫様みたいに兄さんの手に小さく片手を添えて、背筋を伸ばして歩く、、、なんて芸当、できる訳なくて、、、
兄さんの手を両手でガシッと掴み、へっぴり腰で歩く。
だいぶ不恰好だ。
「菜々美、大丈夫か?
階段だけでも俺が抱いて行こうか?」
『い、いや!それは、、、恥ずかしいから、このままで!!』
「ハハッ、そうか。」
そのまま長い長い階段を降りてゆく。
船員たちが私たちを追い越して走るように階段を降りて行くが、通りすがるときに声を掛けてくれる。
みんな優しいなぁ。
『よし!あと一段だ!
私の初上陸の第一歩!!!』
私は最後の一段をぴょんっと飛んで降りた。
初めての島だ!!ワクワクするな。