第4章 初上陸
「今日だが、ビスタが一緒に回ってくれるそうだ。」
『やった!』
「それから、オヤジが呼んでたから、飯食い終わったらオヤジの部屋に行けよい。」
『わかった!』
ビスタ兄さんとお買い物。楽しみだな。
「いいか。菜々美、まぁ、この島はオヤジの縄張りだから大丈夫だとは思うが、本当に気をつけろよい。」
『ふふ、私も子供じゃないんだから、大丈夫だよ。』
「いやいや、島には危ない奴らもいるからな。
…知らない人には?」
『ついていかない!』
「海兵がいたら?」
『無視する!』
「ビスタと逸れたら?」
『でんでんで連絡する!』
「よし。気をつけて行くんだぞ?」
『はーい!』
私は食器を片付けて、父さんの部屋に向かった。
ー
ーー
ーーー
ーー
ー
コンコンコン
『父さん!私!』
「入れ!!」
ガチャ
前は無かった私用の小さな扉を開けて中に入る。
筋肉痛で痛む足を庇いながら父さんの元へ近づく。
「グララララ、なんだその歩き方は。」
『ゔ、、、昨日ハルタ兄さんと運動して筋肉痛なの…』
「グララララ、そうか。島では結構歩くと思うが、大丈夫か?
すぐに出港するわけじゃねぇから、明日にするか?」
『ううん!今日で大丈夫!私も島、早く行きたい!!』
「そうか。ビスタが一緒に行くんだったな。
アイツと一緒なら大丈夫だろうが、離れるんじゃねぇぞ?」
『うん!でもね、逸れてもでんでんがいるから平気よ。』
「あ?でんでんだァ?」
『この子のこと!マルコ兄さんから貰ったの!』
私はそう言って、ポケットの中にいたでんでんを父さんに見せる。
「あぁ。子電伝虫か。でんでんってのはソイツの名前か?」
『うん!かわいいでしょ?』
「グララララ、いい名だ。かわいがってやれよ。」
『うん!!』
でんでんは私に擦り寄ってきて、ポケットの中に入った。
ここがお気に入りらしい。
「菜々美、ほら。
これ全部使い終わるまで帰ってくるんじゃねぇぞ。」
『わっ、、なに?これ、、、』
「開けてみな。」
父さんが私にくれた包みを開けて中を確認する。
『えぇ!?』
「グララララ」