第3章 新しい生活
『ハルタ兄さん!お待たせ!!』
「お、上がった。どう?ある程度ゆっくりできた?」
『うん!たくさんお風呂あって楽しかった!
ごめんね、遅かったでしょう?』
「いや、別にいいよ。
そんなに待ってないし。僕はこのまま風呂入るから、食堂行ってきなよ。
今ならそんなに人居ないと思うから。」
『わかった!ありがとう!』
「うん。」
そこでハルタ兄さんと分かれて、私は食堂へと向かった。
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ガチャ
『サッチ兄さん!』
「お、菜々美!今日は遅かったな!」
『うん!運動して汗かいたから先にお風呂入ってきたの!!
大浴場借りちゃった』
「そりゃいいな!ほら、晩飯。」
『ありがとう。』
サッチ兄さんから晩御飯を受け取って、席を探す。
ピークを過ぎたからか、そんなに混んでない。
端の方でお酒を飲んでるイゾウ兄さんを見つけた。
『イゾウ兄さん、隣いい?』
「ん、菜々美か、もちろん。」
イゾウ兄さんは快く受け入れてくれた。
「ん?…おいおい、ちゃんと髪乾かしてから来いよ。」
『あー、ハルタ兄さん待たせてたから慌ててて。』
「ったく。ほら、その掛けてるタオル貸せ。
食ってていいから拭いてやる。」
『いいよ。勝手に乾くし。』
「だめだ。女の子だろう?
それに、前にも言ったが、綺麗な髪なんだ。大切にしろよ。」
イゾウ兄さんは適当に纏めていた髪を解いて、食べるのに邪魔にならないように優しく水気を拭き取ってくれる。
「今日は先に風呂入ったんだな。
今までは寝る前に部屋のシャワーだったろ?」
『そうなの。今日は運動して汗かいたから先に入っちゃった。』
「あぁ。ハルタに扱かれたんだったか。」
『うん!甲板合計で3周半も走ったんだよ!
疲れてご飯食べたらもう寝ちゃいそう…』
「ククッ、お疲れ様。頑張ったんだな。」
『でもね、ハルタ兄さんとビスタ兄さんが大浴場使って良いって言ってくれて、ゆっくり入れたからちょっとだけ元気になったの。
気持ちよかった〜』
私はそう言いながら、サッチ兄さんの作ってくれた美味しいご飯を頬張った。