第3章 新しい生活
『…つかれた、、、もう、無理…』
「んな大袈裟な…」
2周走り終えてヘトヘトの私。
肩で息をして、甲板の床にへたり込んでいる。
ハルタ兄さんはそんな私を見下ろして笑ってる。
「ほら、菜々美、そろそろ夕飯の時間だけど、先にシャワー浴びる?」
『うん。汗で気持ち悪い。お風呂入る…』
「わかった。じゃあ立って。」
『うん〜』
まだぷるぷるしてる足に鞭打って立ち上がる。
正直シャワー浴びたらこのままベッドで寝てしまいたい。
「お、菜々美、ハルタに随分扱かれたみたいだな。」
「そんなことない。合計で甲板3周半走っただけだよ。」
『3周半も!だよ!!』
「ハハハッ、頑張ったな、偉いぞ。」
そう言って褒めてくれたのはビスタ兄さん。
優しさが滲みる。
「頑張った菜々美にはご褒美やらないとな。
今は丁度飯の時間だ。船の奴らが食堂に集中してる。
この隙に大浴場使ってこい。」
『え!』
「そりゃいいかもね。お湯に浸かった方が疲れ取れるし。」
『でも、そんなこと…』
「せいぜい30分や1時間だろ?
それくらい待てないくらいの器の小ぇ野郎はウチの船にゃいねぇ。
大丈夫だ!ゆっくり入ってこい!」
「うんうん。部屋の前には僕らがいるから入っておいで。」
『んー、じゃあ、、、お言葉に甘えようかな。』
私は一度部屋に帰って着替えを用意してお風呂に向かう。
案内してもらったときにチラッと見たけど、とっても広かった。
楽しみだな。
「タオルとかはそこに積んであるの適当に使っていいから。
ゆっくりお湯に浸かって、筋肉マッサージしなよ。」
『うん!ありがとう!!』
私は着替えを持って脱衣所に入った。