第3章 新しい生活
「20分!」
『はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ、、、やっ、と、、、終わった、、、』
20分って、こんな長かったっけ???
ちょまって、、心臓割れそう、、、
「…20分なら、最低でも甲板5周はいってほしかった。」
『…そん、な、、むりだよ、、、』
「まさか1周半で終わるとは思わなかった。」
海賊の体力と一般人の体力を一緒にして貰っちゃ困る。
聴くところによると、20分あれば隊長格なら軽く50周、平均的には25周、この船で1番遅い人でも15周は行けるらしい。
「多分3キロくらいしか走ってないよ。」
本音を言えば、3キロ持続して走れたなら合格ラインが欲しい。
…まぁ、それを許さないのが海賊なんだろうが、、、
あぁ、ハルタ兄さんの心から驚いたような顔が地味に心を抉ってくる…
「想像以上にやばいね。
さ、菜々美、これから頑張らないと。
まず今日は菜々美の基礎体力を測るから、少し落ち着いたら握力とか柔軟性とか、そういうの測るよ。」
『…あと10分待って、、、』
「はいはい。」
ー10分後
「10分経ったよ。」
『…わかった。じゃあ、まずはその、柔軟性とかそういう手頃なやつからお願いします。
まだ足死んでる。』
「…わかった。
じゃあ、そこに背中つけて、手、どこまで伸びる?」
私は壁に背中をつけて、足を伸ばしてぐぐっと手を前に伸ばした。
足首をしっかり掴めたし、膝にだいぶ顔を近づけられたから、これは割と行ったんじゃないか?
「おぉ、すごい。柔らかいね。やっぱり女の子だからかなぁ。」
『やった!』
ハルタ兄さんに少し笑顔が戻った!
「次は握力。僕の手思いっきり握ってみて。」
『いいの?』
「当たり前じゃん。」
『じゃあ、いくよ、、、んっ!』
大きなハルタ兄さんの手を思いっきり握る。
腕がプルプルと震える。
「ん〜、まぁ、悪くはない、、、かな?」
『っはぁっ、、、そう?』
「うん。体力みたいに劇的にないって訳でもなさそう。
剣を振るなら全然足らないけど、この船で普通に生活する分には大丈夫だろうね。」
『…よかった。』
「じゃあ次は、コレ、投げてみて?」