第3章 新しい生活
ガチャ
『ただいま〜』
「ん、おかえり。面白かったかよい。」
『うん!マルコ兄さんそっくりだった!!』
「そうかい。
で、次の島に行く時実際にお前に持たせるのはこっちだよい。」
さっきのマルコ兄さんが使ってた電伝虫の横から小さな電伝虫が出てきた。
かわいい。
「コイツは子電伝虫だよい。
まぁ、携帯用の電伝虫だと思えばいい。
念波の範囲が普通の電伝虫よりも小さいが、島で扱うくらいなら十分事足りる。」
『…大きいのもかわいいけど、小さいのも更にかわいい!
でも、この子ボタンついてないよ?』
「あぁ。コイツは子電伝虫の中でも子供でな。
まだ付けられないんだよい。
だが、この電伝虫と親子だから受話器を取るだけでこの親電伝虫に繋がる。
電伝虫初心者の菜々美には持ってこいだろ?」
小さな子電伝虫はマルコ兄さんの親電伝虫にぴっとりとくっついていて甘えてるように見える。
『この子、お母さんと離れたくないのかな…』
「ん?あー、いや、大丈夫だ。
離れても念波が通じるところなら普通に使えるよい。
ただ、、、念波の届かないとこまで連れて行かれると号泣する。」
『え!?』
「…で、こっちの親電伝虫は近くの奴に寄ってきて探せって訴えてくるよい。」
『…電伝虫って本当に賢いのね。』
「あぁ。だから、お前がもし逸れてもすぐにわかるから安心だろい?」
『うん。』
「コイツは菜々美用にやる。
船から出るときは常に持ち歩けよい。」
私はマルコ兄さんから子電伝虫を受け取った。
『ありがとう、マルコ兄さん。
よろしくね?…えっと、、、兄さん、この子名前ある?』
「名前?電伝虫にか???」
『うん。』
「いや、ないが、、、」
『んー、じゃあ、、、でんでんね!
よろしくね、でんでん。』
「…でんでん、、、」
でんでんは私の手のひらに乗り、ニコニコしながら体を揺らしていた。