第3章 新しい生活
『ぇ?……うん。』
眠たげな目が少し…いや、割と開かれ、期待と希望に満ちた瞳を向けられた。
急に両肩を大きな手で掴まれたので、驚きのあまり間抜けな声が出てしまった。
確かにイゾウ兄さんにはそう言ったけど、、、え?、私合ってるよね???
思考がうまく回らなくなってきた。
「マルコ、落ち着け。菜々美が驚きすぎて飛んでる。」
「っと悪い。つい嬉しくてな。」
肩を離してくれたマルコ兄さんは嬉しそうに笑顔を浮かべていた。
「マルコの奴、計算の件言った途端に部屋飛び出しやがってよ。」
遅れてきたイゾウ兄さんが困ったように笑う。
そんなにマルコ兄さんの労働環境凄まじかったのかな、、、
「よし、なら早速、明日午前中の勉強終わったらそのまま俺の手伝いしてくれよい。
で、午後からのイゾウの勉強会はもう教えることないんだろ?
なら、この時間は少し運動するかよい。
多少は体力つけないといけないしねぃ。」
『わかった!明日からよろしくお願いします!』
「あぁ。期待してるよい。」
「あんまり無理させるなよ?マルコ。」
「わかってるよい!」
マルコ兄さんは心底嬉しそうに食堂から出て行った。
船員達は落ち着いてるマルコ兄さんがあんなに感情を露わにしてるのが珍しいらしく、その後かなりざわついていた。