第3章 新しい生活
『父さんや兄さん達も、その海賊王の言葉を聞いて海賊になったの?』
「いや、俺たちはロジャーが海賊王になる前から海賊だった。
ロジャー海賊団とは何度も戦った。お互い好敵手だと認め合った仲だったよい。
俺もあの頃はまだ見習いだったからなぁ。」
『えぇ!そんなに前から海賊してたの?』
「そうだよい。オヤジなんか、ロジャーとはよく酒を呑んでたよい。若い頃は飲み比べもやってた。」
『父さん、すごいね、、、』
「ハハッ、まぁな。
そういう訳で、今は海賊達がうようよいる時代だよい。」
つまり、海賊なんて珍しいものではない、と。
「そして、グランドライン、特に新世界は、天候も海流もめちゃくちゃだ。
今割と安定しているのは近くに島があるからだよい。」
『ん?』
「昨日、コレ見せたろう?
これはログポースといって、まあ、所謂コンパスだ。」
『でも、これ、、、方角わからないよ?」
「因みに、これは普通のコンパスだよい。
どうだ?見比べてみな。」
片方は私も知ってるコンパス。
…ぐるぐる回って壊れてるけど。
もう片方は3つのコンパスがついたログポース。
針は比較的安定してる。
…3つとも指してる方角バラバラだけど。
『これ、全部壊れてない?』
「いや、全部正常だよい。
グランドラインの島は、それぞれ特殊な鉱物を多く含んでる。
その鉱物が発する磁力で磁場が乱れ、普通のコンパスはこんなふうにぐるぐる回って使い物にならねぇんだよい。
だから、このログポースをつかう。」
『…針が3つあるやつ?』
「そう。グランドラインの新世界では特に磁場は不安定で、3つないとやっていけないんだよい。
ログポースは、島と島が引き合う磁力を利用してる。
島に着くとログを貯めて、その島と引き合う島の磁力を記憶させるんだ。
そして、島を出て、この針の指す島へと向かうんだよい。」
『…なんだか難しいね。』
「ハハッ、まぁな。
要は、グランドラインはログポースがないと渡っていけない。
ログポースの示す先には必ず島がある。
この二つだけ覚えてたらいいよい。」
『わかった。』
「よし、じゃあ次だ。」