第3章 新しい生活
『…痛い。』
ものすごくぐっすり寝て、清々しい朝、、、
のはずだったのに、起きた瞬間から筋肉痛で足が痛い。
…走った訳でもないのに筋肉痛って、、、大分重症だな…
勉強もだけど、体力もつけていかないと。
最低限なかったらサラッと死んじゃいそう。
ぎこちない歩き方で食堂に向かう。
『サッチ兄さん、おはよぉ…』
「おう菜々美、おはよう…て、何でそんなババァみたいなんだよ。」
『筋肉痛で…』
「昨日何かしたか?」
ほら、と言ってプレートを差し出してくれる兄さんにお礼を言って、まだ人が少ないので、兄さんと話しながら食べる。
『昨日兄さんが船の案内してくれたでしょう?
あんなに歩くことあんまりないからそれで筋肉痛なの。』
「はぁ?あれでか?」
『うん。あれで。』
あ、このサラダ美味しい。
「そりゃ本当か?2人とも。」
『あ、イゾウ兄さん。おはよう。』
「あぁ。おはようさん。」
「お、イゾウか。ほら。」
「サンキュ。」
イゾウ兄さんが私の隣に座る。
私はスープを飲もうとスプーンを掲げる。
『いだ!!』
ガシャン!
「ククッ、そんなに痛いか?」
『イゾウ兄さん!』
イゾウ兄さんが私のふくらはぎをガシッと掴んできた。
筋肉痛だって言ってるのに、、、
『…今日はイゾウ兄さんと口聞かない。』
「ほぅ、それは残念だ。
今日の勉強会、後半は俺が担当するんだがなぁ。」
『え?マルコ兄さんじゃないの?』
「アイツは船とか海とか、そういうの担当。俺は読み書きとか、教養的なもの担当だ。仮名文字読めるの俺だけだからな。」
『そうなんだ。』
「まぁ?お嬢は今日俺と口聞かないらしいからなぁ。
あーあー、マルコ、勉強して菜々美が早く一人前になるの、楽しみにしてただろうなぁ。」
そう言ってニヤニヤとこちらを見る兄さん。
…イゾウ兄さんはいじわるだ。
『…じゃあ、お勉強の時だけ喋る。』
「クククッ、そうかい。」
ふわりと笑って余裕そうに振る舞う兄さん。
一生かかっても、この人には勝てる気がしない、、、