第3章 新しい生活
「じゃあ、早速明日から菜々美にやってもらう初仕事だが、、、」
『なんでも言ってね!私、みんなのためにできることならなんでもするから!!』
「ほぅ、そりゃ楽しみだねぃ。」
甲板のお掃除かな、洗濯物かな?あ、それとも食器洗いとか、イモの皮むきとかの雑用?
それとも繕い物とかかなぁ。偏見だけど、イゾウ兄さんやサッチ兄さん以外不器用そうだし。
「菜々美の初仕事は、まず、勉強だ。」
『???勉強???』
「あぁ。菜々美は記憶がない以前に、海については素人だろう?
まずは海の基本的な知識やこの船のルール、それから記憶が抜けてる所のうち、ここでの生活に関わることとかを覚えてもらうよい。」
『…でも、それって私にしか役に立たない。
なんかもっと、こう、、みんなのために出来ることってない?』
「菜々美、それは違うよい。
例えば、急な嵐の時、船員が船を動かすだろう?
その時、お前が船の仕組み知らずに、咄嗟に引っ張ったらダメなロープを掴んじまったらどうなる?」
『あ…』
沈んじゃうかもしれないってこと?
「他にもな、海には色々と危険がいっぱいなんだ。
だから、正しい知識を身につけて、それを使いこなせるようになるのが、この船で菜々美のできる第一歩だよい。
わかったか?」
『うん。』
そうだ。私が1番知ってる筈だ。
無知っていうのが、1番怖いんだ。
「よし、じゃあ明日から勉強頑張ろうな。」
『うん!
ありがとう。マルコ兄さん!』
「よいよい。」
明日はご飯食べ終わったらマルコ兄さんの部屋に行く約束をして、私は食べ終わった食器をサッチ兄さんに渡した。
そのままマルコ兄さんと別れて、今日は疲れたし、倒れ込むように
布団に入った。
ビリビリと足が痛むけど、今日はぐっすりと眠れそう。
すごく晴れやかな気分だ。