第3章 新しい生活
『あ、』
「お、」
扉を開けて少し行くと、丁度マルコ兄さんの姿が。
「晩飯かい?」
『うん。少し早いけど、ピークに当たっちゃったら1人で抜けられる自信無くて…』
「ハハッ、それが利口だよい。
夜は特に酒が入る奴が多いからな。昼よりもタチが悪いんだよい。」
『兄さんは?』
「ん、俺は仕事の合間にちょいと外の空気でも吸おうかと思ったんだが、、、菜々美にも会ったし、俺も飯にするかねい。」
くしゃりと私の頭を撫で、一緒に食堂に向かってくれた。
食堂に着くと人はまだまばらで、サッチ兄さんもすぐに気がついてくれた。
これからはうるさくなるから、と、比較的静かな奥の方へ案内される。
サッチ兄さんはこれから忙しいようで、今日の晩御飯はマルコ兄さんと2人だ。
「どうだ?部屋ではゆっくり過ごせたかよい。」
『うん!あんなにいい部屋ありがとう。
早速シャワー浴びてきちゃった。』
「そりゃよかったよい。」
マルコ兄さんはニカッと笑って、琥珀色のお酒を喉に流し込む。
サラッと飲んでるけど、見るからに度数高そうだな、、、
『兄さん。あのね、お願いがあるの、、、』
「ん?なんだ?」
部屋には日用品とかは一通り揃ってた。
正直、働くのでお給料下さい、とは言いにくい、、、
でも、流石に服も下着もこのままなわけにはいかない、、、
「どうした?」
『えっと、、、その、、お仕事が、ほしくて、、、』
「仕事?」
『ほら、私あんなに良いお部屋借りてるし、こんなに美味しいご飯も食べさせてもらってるし、、、その、服とか、し、下着とか、、このままじゃ流石にだめ、だし、、、だから、その、』
「あー、、、そりゃ、気が利かなくて悪かったよい。
女の子は色々と必要だもんな。
航海士達の話によれば、明日明後日くらいなら島に着くらしい。
好きなもん買ってこいよい。」
『ありがとう。
じゃ、早速明日から働きたいんだけど、、、掃除とか?洗濯とか?なら、してもいい?』
「いや、金はやる。別に働かなくてもいいよい。」
『ダメ!この船の人たちだってちゃんとそれぞれ働いてるじゃない!』
「いや、俺たちの本職海賊だよい…
真面目に働いてるっつっても、、、やってることは敵船からの物資やらの強奪だからなぁ。」