第3章 新しい生活
「いいか?ここから先は武器庫とかがあるとこで、危ないから近づいたらダメだぞ?」
「この部屋は書庫だ!
まぁ、この船の大半の奴らは本なんか読まねぇから大して使われてないが、、、
多分まともに出入りしてるのマルコくらいだな!
詳しいことはマルコに聞け!」
「ここは洗濯室。
やっぱ大所帯だからな〜。基本は隊別での当番制だ。」
「こっちは食糧庫。盗み食いは1週間イモの皮むきの刑だからな!」
「ここは操舵室。で、その隣が航海士達の部屋だ。
いわゆるこの船の司令塔だ。」
「こっからズラーっと並んでる部屋が船員達の部屋だ。
基本は4人ひと部屋。
朝早い4番隊は食堂の近くだ。」
「ここはトレーニングルーム。
汗臭いから入らないことをオススメする。」
と、他にも色んな部屋を回って、色んな場所を教えてくれた。
正直、今自分がどこにいて、どうやって部屋に帰るかはわからないけど、船の設備を知れば知るほど、この船の大きさを体感する。
「で、最後に、ここが隊長達の部屋だ!
菜々美の部屋はこの並びの角っこだったな。
隣は空き部屋だから気兼ねなく使ってくれ。
因みに俺はココだ。」
そう言ってサッチ兄さんはあるドアを叩く。
…私の部屋隊長さん達の部屋の並びだったのか…
『…私こんな立派なお部屋使って本当にいいの?』
「菜々美だからココなんだよ!
何かあったらすぐ叫べよ?絶対誰かが駆けつけてくれる。」
『…うん。』
「因みにオヤジの部屋はこの裏の通路だ。」
『お父さんの部屋にも近いのね。』
「あぁ!オヤジを守るのが俺たち隊長の1番の仕事だからな!!」
そう言って誇らしげに笑う兄さんは、優しい隊長さんだ。
それからサッチ兄さんはひとつひとつの部屋がどの隊長の部屋なのか教えていってくれた。
私の隣は空き部屋で、その隣から、マルコ兄さん、ハルタ兄さん、ジョズ兄さん………と続き、向かい側がサッチ兄さんでその隣がイゾウ兄さんだそうだ。
私は船のみんなの心遣いに本当に胸が熱くなった。