第3章 新しい生活
「まずひとつ目。
船員の誰かと一緒じゃない時は船のヘリに近づかないこと。
海が見たくなったら2階のデッキから見るんだ。」
『?なんで??』
「急に船が揺れたりした時に落ちないためだ。
海は偉大だが本当に危険だからな。まぁ、2階のデッキなら落ちても怪我で済むが、船から落ちたらシャレにならない。」
『わかった。』
「よし。ふたつ目は、天候が悪い時は絶対に船内から出てこないこと。
天候が変わる前は鐘が鳴るから。鳴ったらすぐに部屋に戻るんだ。」
『うん。』
「いいか。甲板に出る時は絶対守るんだぞ?」
『はい!』
いい返事だ。
そう言ってサッチ兄さんは真剣な顔を崩してくしゃっと笑った。
甲板へ出る扉は沢山あって、とてもじゃないけど覚えられない。
元々船の構造上、わざとわかりにくくしてあるらしい。
敵が中に入ってきたときの対策だそうだ。
なるべく早く全部覚えて、ちゃんと把握できるようにならないとな。
「次は、大浴場行くか。」
『あ、でも、、私の部屋シャワーつけて貰えたからそこはいいよ。』
「いやいや、菜々美だってたまにはお湯に浸かりたくなる日だってあるだろ?
大丈夫!そんときゃ張り紙でもしたけば誰も入ってかねぇから!
ほら、行くぞ!」
サッチ兄さんはスタスタと歩いて行ってしまった。
「ほら、ここだ。広いだろ?」
『広い…』
本当にここは船の上だろうか?
とても大きな湯船。それにジャグジーとか寝て入れるお風呂とか、サウナまである。
「ウチの船には海水を真水に変えられる装置が着いてんだ。
それもバカデカイのが。
海水なんざいくらでもあるからな。」
本当にすごい。
なんでもあるな、、、
「よし!次行くか!」
『うん!』
なんか冒険気分で楽しい!!