第1章 プロローグ
キーンコーンカーンコーン
『ふぅ。』
終わった。やっぱりずっと座りっぱなしっていうのは腰に来るな、、、
私は手帳を開いて今日は何かある日だったか確認する。
【ONE PIECE発売日】
『あ"!』
私は急いで席を立ち、帰路に着く。
そこで1番の仲良しの美香に出会った。
「お、菜々美!一緒帰ろ!」
『あー、ちょっと寄り道してくけどそれでいいなら。』
「知ってる。ONE PIECEでしょ。」
『えっ!もう買ったの!?』
「モチ!朝コンビニで買って列車の中で読んできた。」
『テスト前ってのに、余裕だなぁ。』
「菜々美も人のこと言えないじゃない。常に学年2位以上キープしてる癖に。」
『前回のテスト学年1位に言われたくないわ〜』
「しししっ!今回はどっちが勝つかな。楽しみね!」
『ふふ、まぁね。』
高校を出てすぐ近くにあったコンビニでお目当ての漫画を買って、カフェで軽くお昼を食べた後、近くの公園に向かう。
私が読むまで美香も待ってくれるそう。
それから話したいんだって。
家族のグループにその旨連絡を入れて、歩き出す。
『にしても、コンビニのレジ横で買えるのはすごいよね。』
「まじそれな。流石としか言いようがない。」
『私生涯これ以上の漫画に出会わない気がする。』
「大袈裟でしょ笑笑」
『いや本気本気。』
そんな会話をしながら2人でベンチに並んで本を開く。
そこからは無言だ。
勉強の時よりも集中して内容を読み解いていく。
暫くして、、、
『っは〜〜〜っ、やばい!やばすぎ!!』
「でしょ!やばいでしょ!!」
『もうすでに続きが読みたい。あと数ヶ月待てない。』
「わかる。でもやっぱり単行本がいいんだよな〜。」
『そうなんだよな〜。うーん、、、でも、気になる〜!!!』
「さあさあ、取り敢えず今回の巻について語り合おうじゃないか。」
『よしきた。まずは、、、』
私たちはオタクのような会話に花を咲かせた。
夕日が私たちを真っ赤に染め上げるまで、語り続けた。