第1章 プロローグ
ガラガラ
『おはよう。』
「あぁ!来た!菜々美やっと来た!!助けて!!」
「なんで今日に限っていつもより遅いんだよ!!」
『え、いや、夏服だし、天気良かったから少し遠回りを、、、』
「はぁ!?今日からテストだぞ!?」
「もういいから!ちょ、菜々美!これなんだっけ!!」
『あぁ、それは、、、』
鞄を下ろす間も無くみんなの質問を捌いていく。
「あぁ!なるほどな!ありがとう!」
「えーっ!公式間違ってた!危なかった…」
「やばい、初めて聞いたぞ、そんな化学式…」
ふと周りを見渡すと、みんなぶつぶつと何か唱えてる。
あぁ、一限化学だからか。
時間の許す限り、みんなの質問に答えてから、私はやっと席に着く。
先生が問題を配って、いよいよ、試験開始だ。