第3章 新しい生活
お父さんの隣の部屋だと言うナース室。
扉の前に立つと、マルコ兄さんは私に向き直った。
「いいか。菜々美。
ウチのナース達はおっかねぇから、治療とかの時は絶対逆らうなよい。
ウチの船の上ではオヤジの次にナースの言葉が強いからな。それは肝に命じとけよい。」
『わ、わかった…』
マルコ兄さんは私の返事を確認すると、ナース室の扉を開いた。
「あ、マルコ隊長。」
「例の女の子連れてきてくれたの?」
「あぁ、そうだよい。…ほら、」
『えっと、、黒咲菜々美です。』
緊張しながらも簡単に自己紹介をする。
ペコリとお辞儀をして顔をあげた。
……………うん。
そこにはこれ以上ないほどの美人なナースさん達。
スタイルも抜群すぎて絶対に隣に並びたくない。
「きゃーっ!10代だって!若いわねぇ。」
「あら、この着物、イゾウ隊長に着せてもらったのね!
流石!センス良いわ〜」
「みてよ!この綺麗な黒髪。え?天然?天然でこれ!?良いなぁ。」
『あ、えっと、、、』
私はナースの人たちに揉みくちゃにされる。
その、色々当たって苦しい、、、、
私は助けを求めるようにマルコ兄さんを見た。
でも、いつも助けてくれるマルコ兄さんは首を振って肩をすくめた。
ナースが実質No.2って、こういうことか!
「ほら、それくらいにしてあげて。
ふふ、その子、顔真っ赤よ?」
「あら、ほんと。純粋なのね。」
お姉さんのおしくらまんじゅうから解放されたあと、一際美人で背の高いお姉さんが近づいてきた。
「急にごめんなさいね。若い女の子なんて初めてだからみんな嬉しいのよ。
私はナース長のリリィ。よろしくね。菜々美ちゃん、でよかったかしら?」
『はい、よろしくお願いします!』
「海賊船だから怪我人は絶えないし、船長さんの体調もあるし、あんまり時間取れないけど、何かあったらすぐ来ていいわ。
こんな男世帯、言いにくいことだって沢山あるでしょうし。」
『助かります。』
「ふふ、でも、本当に可愛い子ね
…マルコ隊長。泣かせたりしたら、、、わかってるわよね?」
「…よい。」
「…みんなにも、よろしくね?」
「……よ、よぃ。」