第3章 新しい生活
「次は、、、コレ、何か知ってるか?」
『種類はわからないけど、何かの貝がら。
…凄く綺麗。』
「コレは?」
『うーん、、、バイオリンかヴィオラのどっちか!』
「ハハッ、まぁいいよい。」
「…最後に、、、コレは?」
『な、、!なんてもの持ってるんですか!?』
思わず立ち上がって、そう叫んでしまった。
だって、何食わぬ顔して机の上にゴトリ、と音を立てて置いたソレは、、、
銃だったから。
「お、落ち着けよい。」
『いやいや、落ち着いてもなにも、、そんなもの持ってたら捕まりますよ!!』
「いや、、まぁ、だが、、、俺らは海賊だよい。
武器くらいそれなりに持ってる。」
『あ、、、』
そうだった。
この人たち、海賊だった、、、
私の常識が全て通じる訳じゃないもんね、、
『ごめんなさい。急に騒いで。』
「いや、俺も急にこんなモン出して悪かったよい。」
私達の間にはなんとなく気まずい雰囲気が流れる。
「あと少しだ、、、続けてもいいかよい?」
『あ、はい。』
「…普段、飯食う時は何使う?
スプーンか?フォークか?箸か?それとも手か?」
『箸です、ね。』
「服は?和装の着方はわかったか?」
『いえ、イゾウ兄さんに教えて貰いました。』
「ハルタの服借りた時も教えてもらったのかい?」
『いや、ハルタ兄さんの服は自分で着ました。』
「じゃあ、ハルタの部屋とイゾウの部屋に行った時の印象、聞かせてくれよい。」
『えっと、ハルタ兄さんの部屋は綺麗だな、とか、、、それくらいで、イゾウ兄さんの部屋は、なんかちょっと非日常というか、でもそれでいて少し懐かしい、というか、、、』
「なるほどねぃ。……これで終わりだよい。
ありがとな。色々聞かせてくれて。
気分悪くないかい?」
『大丈夫です。こちらこそ、ありがとうございました。』
「じゃあ、次はオヤジんとこ行くかねぃ。」
『え?』
「そのカッコ、見せてやったらきっと喜ぶよい。
ナースたちもオヤジの部屋にいるから、ついでだよい。」
『はい!』
マルコ兄さんと一緒に私も医務室を出た。