第3章 新しい生活
「ったく、、悪いな、イゾウのやつが。」
『い、いえ!大丈夫、全然!全然気にしてないので!!』
「その割に右手と右足一緒に出てるよい。」
『ゔ。』
「まぁ、コレ飲んでそこ座って待ってろよい。」
『…ありがとう、、、』
マルコ兄さんが私にくれたのは暖かいココア。
ほんのり甘くて美味しい。
マルコ兄さんはそこに置いてあった紙を難しそうな顔をして眺めた後、私の前に座った。
「今から俺は色々と質問するよい。
頭痛くなったり、気持ち悪くなったりしたらすぐ言えよい。」
『わかった。』
「じゃ、、まずはコレ、何か知ってるか?」
マルコ兄さんが取り出したのはガラスの玉が付いたブレスレットのようなもの。
ガラスの中には方位磁石のような針が入ってゆらゆら揺れてる。
『ん〜?ブレスレット?コンパスみたいなのついてるけど、、方角書いてないからコレは飾り?』
「わかった。次だ。コレは?」
『注射器。』
「なら、コレは?」
『メス。』
「用途は知ってるか?」
『手術とかの時に使うのよね。』
「正解。なら、コレは?」
『泡立て器。』
「正解。…ちょっと待っててな。」
マルコ兄さんはノートにカリカリとメモを取る。
こっちに向き直ってまた続ける。
「前に普通の万年筆渡したろ。じゃあ、今俺が使ってるコレ、なんていうか知ってるか?」
『羽ペンでしょ?』
「ん、正解。
それなら、、、コレ、使って見せてくれ。」
『は?』
使って見せてって、、、え?
でも、これってどう見たって、、、、
『かたつむり?』
「まぁ、間違いじゃないが、、、使い方、わかるか?」
使い方って言われても、、、あっ!
ナデナデ
撫でてみた。
癒し効果的な扱いなのかな?
ぬいぐるみみたいな。
「ぶっ!」
『?』
「…も、もういいよい。っくく。」
マルコ兄さんはかたつむりを机の脇に置いた。
ほら、やっぱりぬいぐるみとか置物的な立ち位置じゃないか。