第8章 次なる島は
「やっっっと降りてきたか!
提案したのはいいものの、やっぱ菜々美が飛んでると心配だ…」
「落とさねぇつってんのに…」
「うるせぇ!」
ハルタ兄さんに抱かれたままマルコ兄さんの背から降りた。
サッチ兄さんとマルコ兄さんがまた喧嘩してる。
「本当にうるさいなぁ。
菜々美このまま医務室連れ帰るからね!」
「ああハルタ、頼むよい。」
マルコ兄さんに軽く声を掛けると、ハルタ兄さんはスタスタと船室への扉へ足を進めた。
「着いたよ。」
医務室に着くと、ハルタ兄さんは私をベッドに下ろした。
脇の椅子に腰を下ろし、水を手渡してくれる。
『ありがとう、兄さん。
…私重かったでしょ』
「んな訳ないじゃん。
この船に菜々美持って重いとかいう奴いないから。
それよりももっと食べないと。軽すぎ。」
『いや、、、最近サッチ兄さんのご飯が美味しくて逆に食べ過ぎてる気がするから…』
「それならもっと食べなよ。
じゃないと大きくならないよ。」
『私もう成長期終わってるよ多分…』
私17だよ?
流石に身長はそろそろ止まる。
残念なことに体重は上限がないんだけど…
コンコンコン
「俺だよい。」
「あ、マルコだ。
サッチのこと撒いたのかな、」
ガチャ
『あ、サッチ兄さんも一緒だったんだ。』
「まぁな。」
「菜々美、気分はどうだよい?
まだ怠いとかどっか痛いとかあるか?」
『ううん。
もうほとんど良いよ。』
「そうか。
熱は、、、微熱程度だな。
このままだと明後日には全快だろうよい。」
「本当か!?よかった!」
サッチ兄さんがニコニコと私に笑いかけてくれる。
私も釣られて笑顔が溢れた。
「ねぇサッチ、さっきから気になってたんだけど、それ何?」
「あ?これか?
ふっふっふ、じゃーん!擦ったリンゴだ!」
「食べれそうならどうかと思ったんだが…
食えそうかよい?」
サッチ兄さん…さっき私が言ったこと覚えててくれたんだ。