第8章 次なる島は
「…そういえば、僕マルコに乗ったのほんとに久々だ。」
「あー、、、一年くらい前に乗せたかねぃ。
戦闘の時だったか。」
「うん。運んでくれたんだったよね。」
『へぇ…』
「菜々美、酔いは覚めたかよい?」
『うん。もう大丈夫。』
「じゃあそろそろ戻るかねぃ、、、
下でサッチがウロウロし始めた。」
「あ、本当だ。」
マルコ兄さんが回るたび、あっちこっちへと走り、不安げな顔をしてこちらを見る。
周りの兄さん達は苦笑いだ。
「菜々美。」
『なに?』
背中の方から話しかけられて、パッと上に顔を向けると、少しだけ眉を顰めたハルタ兄さん。
どうしたのかな。
「菜々美、ごめんね。
倒れる前、甲板にいた時気づいてあげられなくて。」
『そんな…』
「もう少し早く気がついてたらこんなに酷くならなかったかもしれないのに、、、」
『…そんなことない。
私が体調崩したのは自己責任よ。
私の方こそ、、、こんな迷惑かけてごめんなさい…』
私がそう言うと、ハルタ兄さんは私を抱く力を少し強めた。
私もハルタ兄さんの服をキュッと掴むと、ハルタ兄さんは少しだけ苦しそうに笑った。