第8章 次なる島は
「ハルタ…」
「あれ、菜々美?
もう外出ていいの?大丈夫??」
「あぁ、実は、、、」
サッチ兄さんとマルコ兄さんが大まかに説明していく。
ハルタ兄さんはそれを聞いてふぅん、とひとつ頷くと、私に向けてニカリと笑った。
「菜々美、大丈夫だよ!
…マルコ、僕と菜々美背中乗せてよ。」
「はぁ?お前話聞いてたかよい?」
「聞いてたって。
だから僕と一緒に乗れば問題ないでしょ?
僕が菜々美抱いてるし、風も避けるから。」
「だが、、」
「あとはマルコがゆっくり飛べばいい話だよ。」
『いや、私ほんとにだいじよ…』
「さ!マルコ!!鳥になって!ほら早く!!!」
『わっ!』
ハルタ兄さんは満面の笑みでサッチ兄さんの腕から私を攫うと、まだ能力を発動してないマルコ兄さんの背中に無理やりよじ登った。
「はぁ…たく、、、ハルタ、絶対離すなよい。
菜々美の様子がおかしかったらすぐ言えよい。」
「はいはい。」
『や、2人ともほんとに、、、』
「しっかり捕まってろい。」
え、全然話聞いてくれない。
ふわっ
私とハルタ兄さんの体が青い炎に包まれると、マルコ兄さんは一瞬で空へと飛び立った。
久々に飛んだけど、やっぱり気持ちがいい。
「どう?寒くない?」
『うん。全然。
寧ろハルタ兄さんとマルコ兄さんのお陰であったかい。』
「それならよかった。」
いつもより大きく旋回する兄さん。
滑空するように飛び、ほとんど揺れない。
ハルタ兄さんも風を自身の体で受けてくれていて、上空の冷たい風が吹き付けることもない。
私たちはしばらくそのまま空を飛んだ。