第8章 次なる島は
「うーん、あんまり外にいたらそろそろマルコから怒られそうだ。」
『うん…早く元気になって、またみんなと沢山お話ししたり遊んだりしたいな、、、』
「そうだな。
俺も早く元気な菜々美と遊びたいから早く治さないとな!
じゃ、最後に海見るか?」
『うん!』
サッチ兄さんに抱かれたまま、船のヘリに近づく。
船に乗ってるのに海を見るのが久々だなんて、なんだか変な感じ。
「ほら、見えたぞ。」
『…』
「菜々美?」
『…サッチ兄さん、やっぱり戻ろ。』
「?そりゃ別にいいが、、、どうした?」
『…波の揺れが、、、』
さっきまではマルコ兄さんやサッチ兄さんに抱っこされて、風も気持ちが良くて忘れてたけど、今海を見るとやっぱり揺れているのが目に見えてわかる。
…海賊船に乗るのに船酔いするなんて、、、致命的だな。
「船酔いか…
オイ!マルコ!!!」
「なんだよい!」
扉の前にいたマルコ兄さんをサッチ兄さんが呼ぶ。
マルコ兄さんは私の顔を見て、サッチ兄さんに詰め寄った。
「サッチ!なんで菜々美の顔色がこんなに悪いんだよい!!
お前何した!!」
「いや、違えって!
海見せたら船酔いぶり返したらしくてよ。」
『…ごめんなさい、、、サッチ兄さん悪くないから、怒らないで…』
マルコ兄さんはため息をついて私の頭を優しく撫でる。
「なぁマルコ。
お前の背中乗せて飛べねぇのか?
酔いが覚めるまでさ。」
「バカ言うなよい。
病人乗せて飛べるわけねぇだろ。
こことは違って上空は風も強い。吹っ飛んだら冗談じゃすまねぇ。」
そんな会話が繰り広げられるけど、まだ少し酔っただけだし、今朝みたいに吐き気までするわけじゃない。
だから大丈夫だと、そう言おうとした時。
「ん?何してんの?」