第8章 次なる島は
サッチ達が出て行って、持ってきた書類のチェックをしていた。
ハルタの作戦、偶にエグい奴が混ざってるが、、、
まぁ、アイツも相当人攫いが嫌いだからな…
そんなことを思いながらパラパラと紙を捲る音だけが部屋に響く。
『…ぁ、』
「ん?菜々美?」
『…おはよ、まるこ兄さん、、、』
ふにゃりと笑ってそう言う菜々美。
今度は自力で起き上がると、ベッドの背もたれに背を預ける。
俺も近くの椅子に移動する。
「あぁ、おはよう。
気分はどうだよい。」
『うん。そんなに悪くない、
大分体も軽いし、、、』
「そうか。…水、飲むか?」
『うん。』
コップに入った水を手渡すと、二、三口コクリと飲む。
細い首が上下に揺れると、菜々美は早々にコップを返してきた。
さっき戻したのと、魘されてた時の汗の量を考えると、もう少し飲んで欲しいところではあるが、、、
また戻すよりはいいだろう。
「熱は…多少は下がったみたいだが、まだあるな、、、」
『マルコ兄さん凄い。
おでこに手当てるだけでわかるの?』
「そりゃな。何年医者やってると思ってる。」
『そんなもの?』
「あぁ。俺が見た中で一番ヤベェと思ったのは指先だけで少数点以下まで測れるババァだよい。」
『…すごいね、』
そろそろあのババァ140になるんじゃねぇか?
頭でドラム王国のババァの姿を思い浮かべながら、オヤジの2倍近く生きていることに衝撃を受ける。
「痛むとことか、気持ち悪いとか、なんかあるか?」
『痛くはないよ。
でも、寝過ぎたからかな、、、頭が重い…
あと船が揺れてて気持ち悪い…』
確かに、丸2日に加えて半日寝てるんだ。
頭が重いのは仕方がないだろうが、、、
船の揺れが原因だったか…
今は殆ど揺れちゃいねぇが、菜々美には感じるんだろう。
船の揺れ…どうしたもんか。