第8章 次なる島は
眠たい。
すごく眠たい。
身体は疲れているし、別にお腹も空いてない。
でも、薬は飲まなきゃいけないから、少しはお腹に何か入れないといけない。
でも、それ以上に眠りたい。
まだ、ぼんやりとしてぐるぐると回る頭の中には、その欲求しかない。
マルコ兄さんが声をかけてくれていないと一瞬で落ちてしまいそうだ。
「菜々美。寒くないか?」
『ちょっと暑い。』
「まだ頭ぼんやりしてるか?」
『うん。あと、なんかぐるぐるする。』
ぐわんぐわんと回る感覚。
船の揺れもしっかりと頭に響いて、少し気持ち悪い。
コンコンコン
ガチャ
「菜々美、粥できたぞ。」
『サッチ兄さん…』
「ん?なんかあんまり顔色良くねぇな。」
『だいじょ、ぶ。』
サッチ兄さんの後ろをイゾウ兄さんが続いて入って来る。
兄さんは私の足の上にクッションを敷いて、その上にトレーを乗せる。
落ちない様に支えながら、蓋を開くと美味しそうなお粥。
…でも、そんなに食べられる気がしない、、、
私か少し固まっていると、マルコ兄さんがスプーンを持たせてくれる。
「食えるだけでいいよい。
一口でもいいから、」
私は頷くと、スプーンの半分くらいを掬って口に運んだ。
熱くはないが、冷えている訳でもない。
きっと私のために冷やして持ってきてくれたんだろう。
優しい味付けで、すごく美味しい。
『おいし、』
「そりゃよかった。」
サッチ兄さんはそう言って柔らかく笑う。
私はもう一口、二口、とスプーンを進めた。
私が口に運ぶたびに、兄さんたちは安心した様に笑った。
が、