第8章 次なる島は
…やっぱり、何かがおかしい。
うまく言葉に出来ないけれど、なんというか、、、この風景に、この日常になんともいえない違和感がある。
ズキン…
胸が痛い。
「菜々美?どうした?」
「痛むの?」
『っ!なんでもない。』
だけど、知りたくない。
「…無理はするなよ?」
『うん。本当に大丈夫。
心配しないで、父さん。』
…父、さん?
【菜々美…】
違う。
父さんはここに居る。
「菜々美、お前、本当になんか変だぞ?」
『兄さん…』
【菜々美!】
【菜々美!!】
【菜々美!】
嫌だ、怖い。
私の名前を呼ばないで。
『兄さん、怖い。』
「怖い?」
『私、ここに居たい!
ずっと、ずっと、母さんと父さんと兄さんと……
ずっと一緒が良い!!』
「菜々美?何を言ってるの?」
ズキン、ズキン、、
痛い。痛いよ、、
『誰かが私を呼んでるの!
知らない人達、怖い!!それにね、ここが痛いの!
兄さんたちに、知らない人達に名前を呼ばれると、、、凄く痛い!!』
ねぇ、どうして?
やめて、、、
呼ばないで、
私はここに居たいの
「菜々美」
『痛っ!』
なんで?
ここにいたいのに、、、
何で兄さんが私の名前を呼んでも痛いの?
私の居場所はどこなの??