第8章 次なる島は
『ん〜!美味しい!!
カレー最高!!』
ご飯に舌鼓を打ちながら、みんな会話に華を咲かせる。
『あ!そうだ!!
聞いて聞いて!私今回のテスト美香に勝ったんだよ!!』
「お!そりゃすごいな。」
「へぇ、美香ちゃんに勝ったのか。
お前この前負けて悔しがってたからなぁ。」
「頑張ったのね。偉いわ。」
『へへ、一位奪還!!』
前々回は私が一位で、前回は美香に負けた。
今回は勝ったからとっても嬉しい!!
「ん?まだ学年順位出るのは早いだろ?
一位かどうかはわからねぇんじゃないのか?」
『ふっふっふ、兄さん甘いね!
美香に勝ったってことはもう一位ってことだよ!
私が知る限り美香より頭いい人なんて学年にいないんだから!!』
「そうだな。お前の口から美香ちゃん以外に負けたってのは聞いたことないからなぁ。」
『でしょ?父さん。
てことで、明日はグラタン食べたい!
ねぇ、母さん、作れる?』
「えぇ、良いわよ。ご褒美だもの。菜々美の好きなコーングラタン作って待ってるわ。」
『やった!!』
私はルンルンとスプーンを口に運ぶ。
母さんの料理はなんでも美味しいけど、コーングラタンは格別!
私が何度自分でチャレンジしてもあの味にはならない…
何でだろ?
「にしても、お前本当すごいな。
数学満点だったんだろ?俺信じられねえわ。」
『兄さんだって頭いいじゃない。
それに、数学満点なのはちょっと兄さんのおかげでもあるのよ?』
「ん?俺なんかしたか?」
『だってほら、最近兄さんの計算手伝ってるじゃん。
だから今回計算ミス一個もなかったの。』
「はぁ?俺が菜々美に計算頼んだのって1年も前の話だぞ?
研究発表のデータまとめるの手伝った時のことだろう?」
『???え?
最近毎日午前中してない?』
「寝ぼけてるのか?てか、大体お前その時間高校にいるだろ?」
『あ、本当だ。』
あれ?
「…菜々美大丈夫か?」
「こんなことあんまりないから心配ね、、、今日は早く寝ちゃいなさい。」
『?はーい。』
なんだろう。
やっぱり何か変。