第8章 次なる島は
「でも菜々美、冗談抜きでそろそろ決めないとヤバいよ?
もう3年だし。」
『うーん、、、そうなんだけどね…
…もうお兄ちゃんと同じとこ行こうかなぁ、近いし。』
「出たよ菜々美の逃げ。
あのねぇ、あそこも確かにレベル高いけどさ、アンタはもっと上に行くの!
今からあそこ目標にしてたらこれ以上目指せなくなるよ!!」
『うーん…』
「…ね、菜々美さ、、、なんか未来の目標とか、ないの?」
目標、ねぇ…
父さんも母さんもお兄ちゃんもいて、こんなに仲のいい美香もいる。
それに父さん、沢山の優しい兄さん達もいる。
今のままで十分幸せだし、これ以上を望むことなんてないからなぁ、、、
「あ、菜々美。
今が幸せだからとかはなしよ。」
『…何、美香ってエスパーか何か?』
「やっぱり。
アンタは顔に全部出るの。」
『…解せぬ。』
「未来の医者の観察眼、舐めるなよ!」
あれ?
なんかおかしかったような、、、
「まぁ、菜々美なら大抵のところは目指せるから焦って決めることはないけど、、、
学校とかはまだ考えられなくても、将来の方向性くらいはそろそろ本当に決めてかないとよ?
だってほら、
いつまでもこんな日々が続いてくなんて、そんなことあり得ないんだから。」
そう言ってこちらを振り返った美香。
ウェーブがかった髪がふわりと風に舞った。