第8章 次なる島は
コンコンコン
ガチャ
「…まだ目覚めねぇか?」
「…見ての通りだよい。」
俺が部屋を訪れると、相変わらず無機質な呼吸を響かせる菜々美。
「…体温も上がったり下がったりで安定しねぇ。
感染症や病なんかの方向も探ってはみたが…菜々美の症状に合致するものも検討がつかねぇよい。」
「そうか…」
そう言いながら点滴を弄るマルコ。
綺麗な顔でただ眠る菜々美の顔を見て、俺はどうしようもなく怖くなった。
「なぁマルコ…このまま、、、このまま目覚めねぇなんてこと、、、、ない、よな、」
そんな俺の声は少し震えていた。
自分でも情けないとは思うものの、それよりも菜々美の目が覚めないことの方が大きな問題だった。
「馬鹿なこと言ってんじゃねぇよい、サッチ。
そうさせねぇように俺がいるんだ。
わかったらさっさと書類片付けろよい。」
そんなことを言って俺を追い出すマルコ。
…お前の方こそ、なんてツラしてやがる。
「あぁ。わかった。
…頼むぞ。」
「言われなくとも。」
そう言って医務室を出る。
…丸一日、か、、、
なぁ菜々美。
お前なんで起きねぇんだよ。