第8章 次なる島は
「俺のせいだ。…菜々美、、、」
「?何言ってる。」
「…今朝、看板で壁に寄りかかって座ってる菜々美に会ったんだ。
その時から頭がふわふわするとか身体が火照ってるとか、、、そんなこと言ってたから…」
「…」
「体調良くないのにあんな海風に晒されたところに居たなんて…
部屋に入るように言うべきだった。」
今日は比較的涼しい。
長袖が必要な気温だ。
それも海風に吹かれたなら体感温度はかなり低かっただろう。
そんなところに長時間もいたとなれば、、、悪化するのも無理はない。
「あんなに分かりやすく言ってたのに、、僕は、何もしないでさっさとどっかに行って…」
ハルタの顔は真っ青だ。
コトリ
米を研ぎ終わり、鍋に入れたところでサッチはカフェオレを作ってハルタの前に置く。
ハルタはその顔を上げると、サッチのなんとも言えない顔が見えて。
「俺もだ。
気づいてやれなかった。
だから…一緒にマルコの書類とか手伝いにいかないか?
そしたらマルコ、少しでも長く菜々美といれるだろう?
アイツ医者としてもかなり優秀だし…すぐ治してくれるはずだ。」
書類が苦手な男の1人のサッチ。
その言動からも相当自分を責めているのが窺える。
「…そしたら、菜々美が治ったら、、、一緒に謝りに行こう。」
「うん。」
ハルタはサッチの入れたカフェオレを少し飲んだ。
「…サッチ、今日のちょっと苦いよ。」
「ハハッそうか、そりゃ悪いな。」
「…別に、、、偶には良いけど。」