第8章 次なる島は
「サッチ、いつでも粥出せるようにしといてくれ。」
食堂に入るや否や、厨房で片付けてるサッチにそう声を掛ける。
「あ?粥だ??
菜々美のあの日にゃ、まだちと早くねぇか?」
「…そう言うことサラッと言うなよ。
だから女に振り向いて貰えねえんだ。」
「何だとこの野郎!」
全く、デリカシーの欠片もねぇ野郎だ。
「いいから、作っとけよ。
菜々美が倒れたんだ。」
「は?」
「…今はマルコが診てる。
目が覚めたらなんか食わせるらしい。」
「倒れたって、、大丈夫なのか、」
「大丈夫かはなんとも言えねぇが…意識はまだ戻ってない。
マルコが言うには2、3日はキツいだろう、と。」
「…そうか、、、だから朝も…」
「?朝なんか言ってたのか?」
「いや、朝すげえ眠そうにしてたんだ。
応答も少し遅かったし…今思えば頭が働いてなかったのかも知れねぇ。」
「…そうか。」
「…俺もマルコに一言言っとけばよかったな、、、」
サッチは米を研ぎながらそう言う。
ガチャ
「サッチ〜カフェオレ頂戴ー」
「ハルタ、、、そこにあるコーヒーとミルクで自分で作れ。
俺今忙しいんだ。」
「はいはい、ん?何2人とも怖い顔して。
どうしたの?」
「…菜々美が倒れた。」
「え?」
ハルタはコーヒーを淹れる手を止めてサッチの言葉に固まる。
片手で口元を押さえてハッとしたように一点を見つめ続ける。
「?ハルタ?どうした。」
動かないハルタを変に思い、俺はそう声を掛ける。
ハルタは少し視線を泳がせると、口を開いた。