第8章 次なる島は
「は!?菜々美!?」
「廊下で倒れたんだ!
熱も酷いし顔色も悪い。」
「このまま医務室運ぶよい!
そこの方が薬もあるし治療もしやすい!」
「わかった!」
俺はマルコと2人で医務室へ走る。
到着すると、すぐにベッドへ寝かせ、マルコはナースたちに指示を飛ばす。
聞き慣れない横文字が飛び交い、バタバタと動くナースたち。
邪魔にならないように端に寄るが、やはりどこにいても邪魔になる気がして、俺は医務室を出るとすぐ近くのオヤジの部屋に向かった。
コンコンコン
ガチャ
「オヤジ!俺だ!!」
ノックを一応するものの、返事も待たずに開けた。
オヤジは俺の姿を見ると一瞬片眉を上げたが、酒を煽るとゆっくりと口を開いた。
「グララ、イゾウ。
お前がノックの返事も待たずに駆け込んで来るのは初めてだ。
そんなに焦ってどうした。菜々美か?」
「あぁ、オヤジ、菜々美が倒れたんだ。」
「倒れた?」
「廊下をふらふら歩いてたのを見つけて、、呼んだらすぐに倒れちまった。
マルコのところに運ぶ間に完全に意識がなくなった。
…今マルコが治療中だ。」
「…そうか。」
オヤジは少し眉を顰める。
「…マルコが診ているなら大丈夫だ。
だが、何が原因かは気になるな。」
「あぁ。」
コンコンコン
「オヤジ!俺だよい!」
「グララ、噂をすれば、だな。
…入れ!」
ガチャ
「…やっぱりイゾウここにいたかよい。」
マルコは俺を一目見るとそう言った。
「まぁ、ちょうどよかった。
オヤジ!菜々美のことだが、、、」
「あぁ。倒れたのは聞いた。
どうだった。」
「確実なことは言えねぇが、恐らく精神的な疲労からきたものだ。
過度な環境の変化、記憶と現実のズレによる膨大な不安要素、新しい情報の処理、、、菜々美の状況からすれば挙げ始めたらキリがない。
それらが急に爆発したんだろうよい。」
「大丈夫なのか?」
「命に別状はない。
記憶の方はわからないがな。
しばらくしたら意識は戻るはずだよい。」