第8章 次なる島は
『ん…』
なんだろう。
頭がぼやぼやする…
昨日の宴で騒ぎすぎたのかな…
すっかり船での生活と同じリズムを取り戻し、朝ごはんを食べに食堂へ向かう。
「よ!菜々美!」
『おはよう、サッチ兄さん。』
「なんだ、眠そうだな。」
『うん、昨日騒ぎすぎたのかも。』
「そうか?
ま、眠たければまた寝ればいい!
ほら、朝飯、」
『ありがとう、』
トレーを受け取り、マルコ兄さんを見つけたので隣に座る。
マルコ兄さんはサンドイッチ片手に難しそうな顔をして何か書類を眺めていた。
『兄さん、どうしたの?』
「菜々美か、、いや、ちょっと、な。」
マルコ兄さんは誤魔化すように書類を伏せるとコーヒーを啜る。
私にはまだ話せない海賊的なことかな。
「あぁ菜々美、今日は手伝いいらねぇよい。
ゆっくりしてろよい。」
『?わかった。』
そう言うとマルコ兄さんはさっさとサンドイッチを食べ終えると食堂から出て行ってしまった。
…じゃあ、今日は何しようかな、、、
ー
ーー
ーーー
ーー
ー
コンコンコン
「俺だよい。」
「入れ。」
ガチャ
「…どうだった。」
「やっぱり、間違いねぇよい。」
マルコは手に持っていた書類を白ひげに手渡す。
白ひげは表情を変えずにそれに目を通した。
「マルコ、わかってるだろうが。」
「あぁ。潰すよい。」
マルコはそう言ってニヤリと好戦的な笑みを浮かべた。
白ひげもそれを見ると口角を上げ、手元の書類を破り捨てた。
床に散ったそれら。
切れ端に覗く文字は【人攫い】