第7章 魚人島
翌朝、いつもより早く起きて早めに甲板へ向かった。
そこには既に父さんが待っていて、私が早く行こうとするのを知っていたようだった。
「菜々美、これ持っていきな。」
そう言ってイゾウ兄さんが渡してくれたのは少し大きめのバッグ。
中には私の寝巻きや着替えなどが入っていた。
『イゾウ兄さんコレ…』
「クク、今夜は人魚姫のとこで泊めてもらえ。
少しは長く一緒にいられる。」
『でも、、、急にそんな、迷惑かけるよ…』
「グララララ、ネプチューンには連絡入れてる。
人魚姫も歓迎だと。」
だから心配ない、と父さんは笑う。
私は自分の知らない間に兄さんや父さんが動いてくれたその優しさに胸がいっぱいになった。
『っ、ありがとう!』
私は自然に出た笑顔でみんなにお礼を言うと、みんなは口々に楽しんでこい、いっぱい喋ってこい、と温かい言葉をくれた。
嗚呼、こんな家族に囲まれて、、、
私はなんて幸せなんだろう。