第7章 魚人島
『!
サッチ兄さん!私の方こそごめんなさい。
蹴っちゃって、それに、、少し言い過ぎた。』
水着の件は確かに恥ずかしかったけど、正直忘れていた。
それよりも蹴ってしまったことが気がかりで、ドキドキしながら答えを待つ。
「菜々美…許して、くれるのか?」
『私は全然…それより、「よかったぁ…」
サッチ兄さんは力が抜けたように床にしゃがみ込んでしまった。
私がオロオロと慌てていると、イゾウ兄さんとマルコ兄さんが隣に立って言う。
「菜々美、別に許さなくてもいいんだぞ?
今回はコイツが100%悪いんだ。」
「そうだよい。蹴ったのも気にしなくていい。」
2人は笑いながらそう言うが、私はもう本当に気にしていなかった。
ただ、
『…サッチ兄さん、』
「あぁ。」
『私はもう本当に気にしてないから大丈夫。
ただ、もうマルコ兄さん沈めたりはしないでね。
溺れちゃったら本当に大変。』
「わかった!絶対もうしねぇ!!」
「お、言質とったからな?
何があっても二度とすんなよい?」
「…しねぇ!」
サッチ兄さんは何か小さく呟いた後、そう言って私にお皿を渡してきた。
私は目の前の美味しそうなお料理をお腹いっぱい食べた。
ー
ーー
ーーー
ーー
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その後の甲板では、
「サッチ…」
「何だよマルコ。まだなんか用か?」
「惚けるんじゃねぇよい。
お前聞こえてたぞ。」
「何のことだ?」
「また吊るされねぇとわからねぇようだな…」
「やべっ!」
「待ちやがれ!!!」
夜の甲板を走り回るサッチとマルコ。
そしてそれを見ながらクスリと笑い酒を煽るイゾウ。
「ったく、サッチも懲りねぇな。」
ー
ーー
ーーー
『私はもう本当に気にしてないから大丈夫。
ただ、もうマルコ兄さん沈めたりはしないでね。
溺れちゃったら本当に大変。』
「わかった!絶対もうしねぇ!!」
「お、言質とったからな?
何があっても二度とすんなよい?」
「(菜々美の前では)しねぇ!」