第7章 魚人島
マルコ兄さんに怒られているサッチ兄さんを置いて船内に入ると、私は躊躇いなく疑問を口にした。
『…で、サッチ兄さんどうしたの?
電伝虫越しにマルコ兄さんがサッチ兄さんの限界だって言ってたけど………私何かしたかな…。』
身に覚えがなくて頭を悩ませながら、手を引いてくれていたイゾウ兄さんにそう問う。
「ククッ、いいや、菜々美は何もしてないよ。
あれは全てにおいてサッチの自業自得だから大丈夫さ。
…そんなことより、腹減ってないか?」
『空いてる!』
「なら、このまま食堂に行こう。
行けば菜々美の疑問も解消されるさ。」
『?うん。わかった!』
私とイゾウ兄さんはそのまま食堂へと足を進めた。
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『わぁっ!』
思わずそんな声が出た。
イゾウ兄さんに連れられるがまま厨房の前のカウンターに誘導されると、そこには私が好きな料理がこれでもかというほど揃えてある。
『こんなに…凄い。』
「ククッ、だとよ、よかったな。」
イゾウ兄さんがそう言って振り返ると、感激の表情のサッチ兄さんと呆れ顔のマルコ兄さん。
「菜々美…ごめんな、この前無神経なこと言って、、、
限度がなってなかった。
失礼だったよな…」
サッチ兄さんはそう言いながら何度も何度も謝る。
机の上の料理たちはお詫びだと言って、私の好きなものを揃えてくれたらしい。
でも、やっぱりわからない。
『…私、サッチ兄さんに何かされたっけ?』
身に覚えがなくて首を傾げると、マルコ兄さんが捕捉してくれる。
「前に、人魚たちと泳いだ時のことだよい。
コイツがお前に色々言ったり、俺のこと沈めようとした時、お前怒ってただろい。」
『あ、』
そういえば、、、
しかも私サッチ兄さんのこと蹴った記憶が…