第7章 魚人島
コンコンコン
ガチャ
『父さん!』
「グララララ、どうした菜々美。」
軽快な足音と共に満面の笑みで扉を開けた娘。
やはり、心配は要らなかったようだ。
『あ、ネプチューン王、お邪魔してます。』
「しらほしに会いに来てくれたのじゃもん。
ゆっくりしていくといい」
『はい!ありがとうございます!』
そんな軽い挨拶を交わすと、小さな娘は俺の元に駆けて来る。
…何を言いに来たかはわかっているが、何も言わずに菜々美の言葉を待つ。
『父さん!あのね、しらほしがまた来てもいいって!
私、ちゃんとお友達だって!!』
「グララララ、そりゃあよかったなァ。」
『うん!
だからね、今日は私しらほしのところにいる!』
「そうか、わかった。
マルコ達にゃ俺が連絡入れといてやる。」
『ありがとう!
それじゃあまたね!!』
そう言ってキラキラと光の戻った瞳を向け、弾けんばかりの笑顔で走り去っていく菜々美。
その様子は昨日のことが嘘のようで、羽が生えているかのように軽快に走っていく。
「感情が表にすぐ出る。
素直な子じゃもん。…環境の良さの賜物じゃな。」
「グララララ、嬉しいこと言ってくれるじゃねぇか。」
「思ったことを言っただけじゃもん。」
ネプチューンはそう言って俺の盃に酒を注いだ。