第7章 魚人島
「うっ…うぇ……」
しらほしの小さな嗚咽が聞こえる、
…やっぱり、嫌だよね。
「え〜ん!
もう会いに来ないだなんて、そんな悲しいこと言わないでくださいまし!
わたくしは、わたくしはずっと寂しかったのに、やっとお友達ができたのに、、そのようなことおっしゃらないでください〜!!」
今までで見た中で1番大粒の涙を止めどなく流すしらほし。
あまりに大きな声で泣くものだから、びっくりして言葉を失う。
「わ〜ん!
もしかして菜々美様はわたくしのことがお嫌いになられましたか?
わたくしが何も考えずにお墓参りなど頼んだからですか?
申し訳ございません〜!!
お願いですからもう会いに来られないなんて言わないでください!」
その後もわんわんと泣き続けるしらほし。
私は驚いたのとしらほしの言葉が嬉しかったのとで色々いっぱいになって、私の瞳にも涙が浮かぶ。
『…ぇ、いい、の?
またここに来ても、、、』
「もちろんです!」
『本当?』
「はい!お約束します!!」
そう言ってしらほしは私の前に大きな小指を差し出す。
その目はいつになく真っ直ぐで、キラキラ輝く瞳に吸い込まれそうだ。
私もしっかりしらほしを見つめて、差し出された小指に自分の小指を絡めた。
『…しらほし、ごめんね。
もうそんなこと言わないし、今日もずっとここにいる!
明日も、明後日も!父さんが出港するって言うまで毎日通う!!
私も約束する!!』
「!本当ですか!」
『うん!しらほし、ありがとう。』
「そんな…お礼を言われることなんてわたくし何もしておりません。
わたくしの方こそ、ありがとうございます。」
私たちはお互いに真っ赤になった目を見て笑った。