第7章 魚人島
「菜々美様!お待ちしておりました!!」
『うん…』
「昨日はわたくしの代わりにありがとうございます。
お手紙も届けていただいて…」
『うん…』
しらほしはいつものように明るい笑顔を向けてくれる。
私はどうにも視線を合わせることが出来なくて、明後日の方向を向いてしまう…
「?菜々美様?」
『…あの、さ、、、しらほし…』
ぎゅうっと服の裾を掴む。
はじめての友達に拒絶されたら、と思うとなかなか言い出せない。
『あの、ね、、、』
言わないと、、言わないと、、、
『昨日、ジンベエ親分から、、その、魚人島の歴史を、聞いたの。』
「っ…」
しらほしは息を呑む。
『…それ、で、、、しらほしのお母様のことも、聞いたわ。』
「…」
『ねぇ、しらほし、
貴女は私を友達だと言ってくれたけど、貴女は、私がそばに居て、、、辛く、ない、の?
私とそばに居たら嫌なこと思い出したり、しない?
もし、、、、少しでも、そう感じるなら…もう、会いには来ない、から…だから、、、』
遠慮しないで言って
その言葉は私の口から出ることはなかった。
カタカタと震える手を隠すように握りしめ、しらほしの言葉を待っていた。