第7章 魚人島
しばらく、私も父さんも何も話さず、じっと暗い部屋の中でただ時間だけが過ぎていった。
「…アホンダラ。
お前ェはそう思ってるだろうが、人魚姫はお前に会いたがっているかもしれねぇぞ。
…勝手に人魚姫の気持ちを決めつけてんじゃねぇよ。」
父さんのそんな言葉が私の鼓膜を震わせる
「この島の奴らはそんなに弱くねぇ。
…明日、俺と共に城へ行くぞ。
人魚姫とまずは直接話せ。話はそれからだ。」
『や、でも…』
「…大丈夫だ。
お前も俺も同じ人間。
嫌われる時は同じだ。
何も恐れることはない。」
父さんはそう言って不敵に笑った。