第7章 魚人島
「マルコ隊長は随分と菜々美さんにゾッコンのようですな。」
『ふふ、みんな優しすぎて私もたまに困っちゃうんです。
でも、そんな兄さんたちが本当に大好きで私って本当に幸せだなぁってよく思います。』
「ハハハッ、それはそれは、お兄さん方も喜びましょう。」
カメさんタクシーの中でそんな話をする。
この島ではカメさんもシャボンをつけて空を飛べるから不思議だ。
『親分さん。
私にそんな敬語使わなくて大丈夫ですよ。
私まだ17らしいので、、、』
「いやいや、そんな。
オヤジさんのご息女なんですからそういう訳には…」
『でも、、、なんだか変な感じがして、
親分さんの方が父さんとのお付き合いも長いのに、、
私なんてまだ数ヶ月ですよ?』
「それはそうですけど、、」
『お願いします。
なんだか私が嫌なんです。
やっぱり距離感じちゃって、あ、私の方こそ図々しかったですかね!』
「いやいや、それは大丈夫です。
それではお言葉に甘えて…少しは砕けた話し方にしようかのう。」
『ふふ、嬉しい。
ありがとうございます。』
「ん?…菜々美さん、見えてきました。
アレが海の森です。」
親分さんの指差す方を見ると一際明るくて綺麗な空間に鮮やかな珊瑚の森が広がる場所があった。
『綺麗…』
光が筋を描くように空から降り注ぎ、シャボンで屈折して珊瑚の地面にふよふよと揺れる。
さすがは海の森その風景は宛ら地上の森のようだ。