第7章 魚人島
『しらほし。入ってもいい?』
重たい扉の前でそう問いかける。
と、扉が少しだけ空いた。
入っていいということなのだろう。
私はしらほしの部屋に足を踏み入れ、彼女を見上げた。
『しらほし、ごめんね。
私、わた、、、私が、弱いから。
…っ、貴方を守る自信を持てるくらい、私が強かったら……ひっく、』
「菜々美さま、菜々美さまは、悪くないです。
わたくし、菜々美さまのお言葉だけで胸が一杯です。」
ダメだ。さっき泣いて涙腺緩んでるから涙が…
『ごめんね、私、、無神経なことたくさん言って、、、』
「わたくしこそ!先程は菜々美様のご厚意を知りながら、、あんな、あんな態度を取って、、、申し訳ありませんでした…っ!」
『しらほし…』
ガバリと頭を下げるしらほしに驚いて涙を拭ってその表情を見上げると、大きな瞳にうるうると涙を溜めていた。
「うぇ〜ん!
菜々美さまぁ、どうか、どうかわたくしのこと嫌いにならないでくださいまし〜!!」
『ならない!絶対ならない!!
私しらほしのこと大好きだもの!』
「ひっく、、お約束、してくださいますか?」
『する!』
お互いに泣きすぎて目の周りが赤く腫れていたけれど、差し出した小指の大きさは全く違うけれど、私たちはしっかりと小指を結んだ。
絶対に切れない約束をするために。