第7章 魚人島
ガチャ
『…父さん、、、』
「あァ。来たか。」
右大臣さんに連れられて父さんとネプチューン王の部屋にお邪魔する。
今日はジンベエ親分さんもいるようだ。
『…ネプチューン王、ジンベエ親分さん、父さん、おはようございます。』
みんなに挨拶をして、父さんの方を向く。
父さんが手を広げていたので吸い寄せられるように近づく。
「グララララ、どうした。朝からそんな顔して。」
『…』
父さんの腕の中に収まって下を向く。
『…ねぇ、父さん。
しらほしを外に連れて行ってあげることってできない?』
「…菜々美そりゃあ、、、」
『お願い!父さん、兄さん達と一緒でもダメかな…
私、しらほしを守ることはできないけど、、きっと無事に帰すから。
なんとかして海の森に連れて行ってあげたいの!』
「…」
『しらほしね、私が外や地上の話をすると嬉しそうに聞いてくれる。
でもね、それと同時にすごく悲しい顔をするの。
私、そんなしらほしを見てられない。
わたしはしらほしを本当の笑顔にしたい!』
私はばっと顔を上げて父さんを見つめた。
いつのまにか涙が頬を伝っていて、父さんの黄金の瞳がぼやける。
父さんはひとつ息をついて大きな手で私の涙を掬った。