第7章 魚人島
【着替えとバッグ、それと多少の金入れとく。電伝虫は持ってるな?
どこか行く時それだけあったらどうにかなるだろう。
出かける時は連絡入れろ。すぐに迎えに行く。
マルコ】
【昨日は悪かった。
もうあんなこと言わないし、能力者海に落としたりしないから許してくれないか。
本当にごめんな。
今晩は菜々美の好きな飯用意して待ってる。
サッチ】
【ナミュールたちから昨日のこと聞いた。
サッチの野郎はお前の兄たちがみんなしてシメていたぞ。
あぁ、蹴った件なら謝らなくていい。
今回はサッチが悪いからな。
人魚姫と仲良くなれたようで何よりだ。
これが届く頃には俺もそこに居る。
支度ができたら一度顔見せにこい。
ニューゲート】
そこには3人の手紙。
マルコ兄さんの整った字と、サッチ兄さんの少し震えた字。
それに父さんのすごい達筆な字。
みんなの気持ちが暖かくて、笑みが溢れる。
…それにしても、みんながサッチ兄さんをシメていたって、、どうしたんだろ。
『まぁ何にしても、着替えは助かるな。』
私はパッパと着替え終えてしらほしに向き直る。
「菜々美様、今日はどちらに行かれるのですか?」
『うーん…まだ決めてないけど、、、ねぇ、しらほしはどこか行きたいとこないの?』
「えぇ!わたくしですか、、、」
『うん!…私、しらほしも一緒に行きたいな、』
「で、ですが、、わたくしは外に出ることは…」
『うーん、、、でも、もしかしたら父さんや兄さんと一緒ならいいって言ってくれるかもだし!』
「ダメです!!!」
『!』
しらほしは瞳に涙を溜めながら声を上げてそう言う。
私は思わず口を閉じる。
「わ、わたくしも行きたいところはあります。
母上の、母上のお墓に、、、海の森に、、、ずっとずっと行きたいです。
でも、、ダメなんです。
どうしても、ダメなのです、」
私は一瞬で自分の発言を後悔した。
『…ごめんなさい、私、、無神経だった、』
「い、いえ、、、こちらこそせっかく誘っていただいたのに申し訳ありません、」
私たちの間に重たい沈黙が流れる。
『…私父さんのところいってくるね。』
「…はい。」
私は静かに部屋を出た。